アローーーーーーーーハーーーーーーーーー!!!!
ハワイに行ってきました。11月なのにこの陽気である
やっぱり海がきれいですね。あの水平線まで一体どれだけの距離があるのか気になります。
今回の問題
問題はこうです。
「半径6371kmの星の上で、地上170cm(0.0017km)地点に目線がある人が見る水平線までの距離は何kmか?」
目線の高さによって水平線までの距離は変わるわけですね。もっと高くから見ればより遠くまで見えるということですが、今回は普通に人間が海岸線に立って水平線を眺めている場合を想定します。10kmくらい見えるのかな? いや流石にもうちょっと長いだろ50kmとか。いやいや100kmくらいあんじゃないのたまにめっちゃ遠くの島とか見えるし。気になるところです。やっていきましょう。
三平方の定理
概念図としてはこんな感じです。
青い円が半径6371kmの星、オレンジのが目線170cmの人です。170cmにしてはとんでもない大きさになっていますが縮尺を縦方向に強調しているもんだと思ってください。赤い線は、オレンジの点(目部分)を通るような青円の接線です。つまりこの長さを求めればいいわけです。次のような直角三角形が見えてきます。
目から水平線までを、星の半径を、星の半径+目線までの高さをとしてみました。こうなればもう三平方の定理(ピタゴラスの定理)っきゃないですね。
直角三角形の斜辺を、残りの2辺を、とすると、次の関係が成り立つ。
三平方の定理
知りたい値は何か? 目線のある位置から水平線までの距離なので、です。
すでに知っている値は何か? 星の半径と、目線までの高さなので、とです。
3つの変数がある方程式のうち2つまでの数がわかっているので、あとは代入すれば残りの一つがわかります。星の半径は6371km、目線の高さは0.0017kmでした。こうなります。
移項して平方根をとって、
は長さなのでプラスの方だけ採用して、
はい。答えが出ました。これは計算すると約4.65kmほどになります。
4.65km!! ちか!! すぐそこやん!!!
結論でた
4.65kmといえばだいたい徒歩1時間くらいの距離です。あれ......? そう思うと結構あるな......
新宿〜池袋間と同じくらいでもあります。あれ......? そう聞くとやっぱり結構遠いな......
ということで今回の結論はこうです。
目線が地上170cmあたりにある人が海岸に立って見える水平線までの距離は4.65kmくらいと割と近く感じるけど、そもそも「4.65km」ってけっこうある
今回も勉強になったなぁ〜
もう少しポリコレに配慮しておく
もちろん、この記事を読んでいらっしゃるのは170cmの人ばかりではないでしょうし、半径6371kmの星に住んでいる人だけとも限りません。目線の高さと星の半径が変わることで水平線までの距離(赤い線)は以下のように変化します。
エウロパ人への配慮が足りないとか言われたらめんどくさいのでちょっと一般化しておきましょう。
とは言ってもさっきのやり方と同じで、数値の部分を記号のままにしておくだけです。星の半径を、目線までの高さをとすると、水平線までの距離は次のように表されます。
これさえわかっていればあとは当てはめるだけですね。冒頭の水平線の写真は地上100mくらいから撮っているのでそれを当てはめると水平線までの距離は35.7kmほどになります。上空36000フィートの航空機からだとだいたい374km先まで見通すことができます。
目線170cmの人物が半径約1601kmのエウロパに降り立ったときに見える地平線(氷平線?)までは約2.33km。近くなるんですね。走っていけそうです。エウロパの地平線までは走っていけそうです!
今回も楽しかった
今回も数学いじりしてたら思いがけないことが判明しました。みなさんも今度海に行く機会があったら、水平線までの距離に、そしてエウロパに、思いを馳せてみてください。
それでは私は買ってきたマカダミアナッツ食べるので! このへんで! マハロー!
注1:今回は水平線までの直線距離で求めています。地表面に沿った弧の長さで求めるともう少し短く、もう少し複雑になります。
注2:実際には地球はまん丸ではないので地域差があるし、空気の濁りや屈折などによっても水平線までの距離は変わってきます。計算上求めた値なんだよということはご理解ください。