「精度99%の検査で陽性だった人が実際に病気である確率は数%程度」とかいう話、聞いたことがある人もいるかと思います。 「1000人に一人がかかる病気があり、あなたはこの病気かどうかを精度99%で判定できる検査を受けたところ、なんと陽性であった。あなた…
以前、現代数学に欠かせない道具である「群」とはなんなのかについての記事を書きました。 www.ajimatics.com 群とは、解像度の低い順に言って、次のようなものでした。 ・構造の一種 ・「集合」と「演算」で出来ている構造の一種 ・「閉じている」「単位元…
この記事は、数学デーアドベントカレンダー10日目の記事です。 東京で「数学デー」という数学好きが集まる場を運営しています。 twitter.com そこで主に行われているのは「誰かが持ってきた(数学とは限らない)話題に対して好き放題議論する」ということで…
ものを知れば知るほど、いつも歩いている道なんかも解像度が上がって見えてくるわけです。 花の名前や雲の種類、建築の様式などはその代表格でしょう。 同じように、知れば知るほど数学の見え方の解像度が上がる(にも関わらず、高校までの数学ではまったく…
フィボナッチ数列 1,1から始めて、「前2つの項を足したものが次の項」という構造をしている数列が「フィボナッチ数列」です。具体的に書き下すとこういうものです。 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, ... 確かに「前2つの項を足した…
よく知られた定理として、以下のものがあります。 定理:3人寄れば文殊の知恵 古くから知られている定理ですが、日常的によく使う定理である割にはその証明をきちんと追ったことがある方は少ないのではないかと思います。以下ではこちらの定理の証明を解説…
2乗して-1になる数「」と、実数を使って「」と表される数を複素数といいます。 複素数は、和をとったり積をとったり逆数をとったりといろいろできるわけですが、それらを図示してみるときれいな構造が見えることがあります。 この記事は、細かい解説はそこそ…
みなさんは、好きな複素数ってありますか?(ただし実数は除く) 「好きな整数」を持ってる人なら少なくないと思います。それこそラッキー7の7とか。自分の誕生日とか。691とか。 「好きな実数」まで広げても、eとかπとかとか、いろいろあるでしょう。 でも…
数学で遊んでると時折やばい式に出くわして、自分で見出しておきながら困惑、あるいは感動してしまうことがあります。今回はそんなお話。 実数の展開 実数には「展開」という概念があります。大雑把に言って、実数の「表示方法」みたいなものです。 円周率π…
数学的な内容を表現したアニメーションをいろいろ作って遊んでます。例えばこんなのとか。 素因数ビジュアライズ。大きく灰色で表示された数字の素因数が線を横切ります pic.twitter.com/z1MHJzPtbv — 鯵坂もっちょ (@motcho_tw) February 7, 2018 たくさん…
チェスも、将棋も、囲碁も、コンピューターが人間に勝利して久しいですが、「コンピューター」つまり「計算機」というからには、それぞれのゲームに対して何らかの「計算」をして、一つ一つの手を指しているわけです。 メディアではよくコンピューター将棋な…
一般に、境目は大事です。どこまでが友人で、どこからが恋人なのか、とか。 この記事は「好きな証明」アドベントカレンダー1日目の記事です。 上記の式のことを考えます。今回はは正の実数とします。そのが無限に乗じられているわけです。一見面食らってしま…
いままでのあらすじ 前回の記事(線形代数の知識ゼロから始めて行列式「だけ」理解する - アジマティクス)で、行列に対して定義される「行列式」というものをインストールしました。そこにいたるまでの道のりを振り返っておきます。前回の記事を読んでいな…
この記事は、線形代数において重要な「行列式」の概念だけを、予備知識ゼロから最短距離で理解したい人のための都合のいい記事です。 そのため、わかっている人から見れば「大雑把すぎじゃね?」「アレの話するんだったらアレの話もしないとおかしくね?」と…
Q:これは何の構造を表しているでしょう? グラフ理論 上の構造のように、頂点(ノードともいいます)の集まりと、2つの頂点をつなぐ辺(エッジともいいます)の集まりでできたもののことを「グラフ」あるいは「ネットワーク」と呼び*1、このような構造を…